2016年2月5日金曜日

研修生レポート1月 -中国人健康事情 / 糖尿病患者数の増加傾向-



中国人健康事情 / 糖尿病患者数の増加傾向
実務研修生 小島裕太
 
JAMAによる調査
JOURNAL OF THE AMERICAN MEDICAL ASSOCIATIONJAMA、米国医師会雑誌)掲載の調査によると、2010年中国において18歳以上の成人11390万人(男性6050万人、女性5340万人)が糖尿病を発症していた可能性がある。この調査は同年、中国の成人99000人を対象に実施された。調査によれば、2010年には49340万人の中国人が前糖尿病(血糖値が通常を上回る水準にあり、潜在的にリスクの高い状態)だった可能性がある。

・増加する有病率 / 疾病者の認識
中国の人口に対する糖尿病有病率は1980年には1%以下だった。有病率は20002001年には5.5%2007年には9.7%2010年には11%を超えている。また糖尿病患者のうち、自身の健康状態を認識しているのは30%であり、その内治療中の患者は25.8%、血糖コントロールが良好だったのは39.7%だった。

中国人は米国人と比較して低い肥満度指数で糖尿病を発症する傾向にある。少しの体重増で2型糖尿病(後天性の疾患、1型は先天性)を発症する傾向にある。また、都市部で、太り過ぎの若年・中年層に多い。年齢が上がるにつれ糖尿病有病率は上昇し、男性では50歳以下、女性では60歳以上で増加する。中国人は、標準体重をわずかに超過しただけで2型糖尿病発症の危険性が上昇することも明らかになっている。なお、同じ傾向は日本人でもみられる。
中国保健省の統計によると、中国国民の死亡の主原因は感染症や食生活に関連した欠乏症であったが、現在は高血圧や肥満へとシフトしている。慢性疾患を抱えている国民は、26000万人以上に上る。

・政府による支出
世界保健機関(WHO)によると、既に、中国政府による医療関連支出の80%超が国民の慢性疾患に関連した費用に回されている。また、WHOによると、第1次予防に向けられているのは2%未満である。

<参考資料>
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2013/020701.php
http://www.gohongi-beauty.jp/blog/?p=6262
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2010/009917.php

<レポート中の図表>
Study evaluates prevalence of diabetes among adults in ChinaJAMA 201393日)
Prevalence and Control of Diabetes in Chinese Adults JAMA 201394日)


0 件のコメント:

コメントを投稿